【完】I LOVE YOUが言えるまで
その後、高倉の顔には笑顔が。
「美緒さん、ありがとうございます。
俺、チョー嬉しいっす。
じゃ、呑みながら話を聞いて下さい」
呑みながらの言葉に引っかかった美緒…。
『あのさ…、お酒呑んじゃってもいい訳?
呑みながらする話じゃないんじゃないの』
美緒にそう言われ、高倉の表情が固まった。
高倉の頭の中に学の顔が浮かんだ。
美緒と初めて出逢った日、親友の学は自殺未遂を図った…。
その知らせを聞いた高倉は、慌てて病院に。
この時、目に入ったタクシーに飛び乗った。
このタクシーは、美緒が乗るはずだった…。
そのタクシーを横取りしたのだ。
そのことを正直に話し、謝ろうと思っていた
だが、そんな話をしてしまっていいのだろうか?
美緒には全く関係ないことで、話したところでただの言い訳にしかならないのでは…