【完】I LOVE YOUが言えるまで
高倉の言葉に、美緒の心が温かくなった気がした…。
『高倉くんこそ寝不足でしょ。
大変だと思うけど、お互い頑張ろうね』
「はい、頑張ります。
美緒さん、また一緒に呑んで下さいね」
今まで年下の男とは、昔絡みか仕事絡みでしか関わったことはないが、初めて思った…。
高倉のことが可愛いと…。
『うん、また誘って』
「はい!絶対に誘います。
それじゃ、今日も一日頑張りましょう」
高倉の声はとても明るい。
『うん、頑張ろうね。それじゃ、また』
美緒はそう言って電話を切った。
携帯をテーブルに置き、美緒はベランダに出た。
タバコを吸いながら空を見上げる。
『久しぶりだな…、ちょっとドキドキした』
そうなのです。高倉の優しさに、ドキドキしてしまったのです。
こんなことは生まれて初めて…。