【完】I LOVE YOUが言えるまで

『私でも、男の人にドキドキすることなんてあったんだ…。なんか変な感じ…』


美緒は密かに自分はおかしいのではないかと思った。


男の人を好きになっても、ドキドキしたり、ワクワクしたりすることが今までなかった。


『こんなこと考えてる場合じゃない。
会社に行かなくちゃいけないんだから』


美緒は慌てて支度を始めた。






会社に着き、いつもの様に仕事を始めた美緒の頭に、永嶋の顔がよぎる…。


『他の男にドキドキしちゃダメじゃん…。
永嶋さんを信じるって決めたんだから』


自分にそう言い聞かせ、美緒は仕事に没頭する。



お昼休み、涼子からランチに誘われたが、美緒は今日中に片付けなくてはいけない仕事があったので断った。


「今日話あるから、仕事終わったら野上さんの店に来てね」


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