【完】I LOVE YOUが言えるまで
美緒の前では何もないように振る舞った高倉だが、一人になると、やはり落ち込んでしまうのだ…。
「昔も同じ…、あゆみ…、俺はマジで好きになった相手には、振られちまうんだよな…。
あゆみ…、お前は俺を愛してくれてたのか?
今でも時々思い出すんだ…。
あの時のあゆみを…、涙を流しながらサヨナラを言ったあゆみの顔を…」
高倉の二十三年の人生の中で、唯一振られた相手。忘れられる訳がなかった…。
美緒達は居酒屋を出て、部屋に戻った。
部屋に戻って、また呑み始めた三人。
この三人はなかなかお酒が強いんです。
深夜二時を回った頃、美緒の携帯が鳴った。
「美緒、高倉くんじゃないの」
誰もがそう思ったが、電話の相手は永嶋。
美緒は奥の部屋に入って行く。
その様子を見た二人には、高倉からではないことが分かった。