【完】I LOVE YOUが言えるまで
『もしもし、どうしたの、こんな時間に』
「美緒…、逢いたいんだ。美緒に逢いたいんだ」
やっぱり永嶋の様子はおかしい。
『今どこに居るの?』
「部屋にいる」
『分かった、これからそっちに行くから』
この間から、永嶋の様子はおかしかった…。
こんな電話をしてくるなんて、きっと何かがあったんだ。
あんなに悲しそうな永嶋の声を聞くと、美緒はほおってはおけなかった。
電話を切った美緒は、リビングに行く。
『真理子、涼子ごめん。
私これから出かけるから』
美緒はそう言って、慌てて出て行った
「美緒!どこ行くの!」
と叫んだところで、美緒はすでに居ない…。
「美緒、誰に逢いに行ったんだろう…。
あんなに慌ててる美緒なんて初めて見た…」
「真理子…、美緒にはやっぱり彼氏が居るんだね」
美緒はタクシーで永嶋の部屋に向かっていた。
『永嶋さん、今行くからね』