【完】I LOVE YOUが言えるまで

携帯を手に、運転席の窓を見ると、そこにはあゆみの姿が…。


高倉は慌てて車から出る。


「あゆみ!どうしたんだよ!」


驚く高倉の顔を見て、あゆみは笑い出す。


「そんなに驚かないでよ、幽霊じゃないんだから。こんな早くに出かけるの」


高倉の顔の表情が怖くなった。


「あゆみには関係ない」


高倉は冷たく言い放ち、その場を立ち去ろうとすると、あゆみに腕を掴まれた。


「そんなに冷たくしないでよ。
今日、会社休みでしょ。天気がいいからドライブにでも行かない。お弁当作ってきたの」


あゆみは笑顔で、高倉の目の前にお弁当の入ったバスケットを見せた。


高倉はあゆみから腕を振り払った。


「もうここには来るな、迷惑だ」


そう言って、歩いて行く高倉をあゆみが追いかけた。


「ルキヤ!私はルキヤを愛しているの。いまでも愛してるの」


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