【完】I LOVE YOUが言えるまで

美緒は携帯を手にしたが、電話に出れずにいた。


しばらく忘れていた高倉の存在。


キャンプ以来、美緒は高倉と距離を置くことを決めて、一切連絡はしていなかった。


美緒は高倉に対しては、素直に自分の姿をさらけ出してしまう。


そして、高倉も…。


そんな自分が怖くなってしまった…。


この時、何故怖くなったのか、美緒は本当の理由にはまだ気づいていなかった…。


電話が切れ、高倉が留守電にメッセージを残していた。


「美緒さん、キャンプ以来逢ってませんが元気ですか?俺は元気です。
俺らしくないけど、めちゃめちゃ仕事頑張ってるんです。だから、毎日忙しいです。
美緒さん…、あい」


留守電が終わった。


『最後のあいで終わってるけど、何が言いたいんだ。高倉が仕事頑張ってるか、良かった
。高倉…、私は…、ダメかも…』


高倉の声を聞いて、弱気になってしまった…


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