【完】I LOVE YOUが言えるまで

何故、高倉には見せられる姿を、永嶋には見せられないのだろうか…。


『高倉…、逢いたいよ…』


電話を切った高倉は不安でいっぱいだった。


「美緒さん出なかったな、電話…。
やっぱ俺、嫌われたのか、あんな姿見せたから…。はぁ…、もう逢えないのかな…。
美緒さん…、俺、やっぱ美緒さんが居ないとダメだ…。美緒さんの笑顔がないと…」


美緒も高倉もお互いを必要としあっている。


だが、何かが邪魔をしているのだ。


その何かが分からない…。



九時半を過ぎて、永嶋がようやく帰って来た


「美緒ただいま、遅くなって悪いな」


美緒は窓の外を見つめていた。


永嶋は美緒の後ろから抱きつく。


「なんかあったのか」


『私たちのことが会社で噂になってるの。どうしたらいいの。私会社辞めたくない…』


美緒は外を見つめたまま、涙を流していた。

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