【完】I LOVE YOUが言えるまで

「美緒、落ち着けよ。
お前らしくないぞ。噂くらいで取り乱して」


と永嶋は美緒をなだめようとするが…。


『永嶋さんはどうしてそんな平気な顔していられるの。
永嶋さんだって、せっかく本社に戻って来たのに、
また支店に異動になるかもしれないんだよ。
今まで頑張って来たことが、全部水の泡になるんだよ。それでもいいの』


美緒は勢い任せに、永嶋に怒鳴った。


「じゃあ何で、美緒は俺を受けたんだ。
俺を受け入れた時、こうなることは覚悟してたんじゃないのか。
そんなに仕事が大事なら、俺なんて受け入れなきゃよかったんだ」


永嶋の言葉に、美緒はがっくり肩を落とした


「俺は、覚悟して美緒の元に来たんだ。
俺は、仕事よりも美緒が大切なんだ。
だから異動なんて怖くない」



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