【完】I LOVE YOUが言えるまで
永嶋の言葉に、美緒は反論すら出来ずに、部屋を出て行った…。
「美緒!」
永嶋の声は、美緒の耳には届かなかった…。
永嶋は美緒を追うことが出来なかった…。
こんな日が来ることは分かっていた…。
また、美緒を傷つけることも…。
それでも、美緒のそばに居たかったのは…。
この頃、HEAVENでは、真理子と涼子が深刻そうな顔で話をしていた。
「真理子…、あの噂どう思う?」
「噂は噂でしょ。気にすることないんじゃない」
「でもさ、噂じゃなかったら」
涼子がそう言った瞬間、真理子の頭の中に浮かんだのは、
ロビーで笑顔で話していた、美緒と永嶋の姿だった…。
「この噂の出どころは経理の女の子らしいの。
二人が楽しそうにデートしてるのを見たらしい。
そのデートの日は日曜日らしいよ。
凄くラブラブで買い物してたって。
これって仕事じゃないでしょう」