【完】I LOVE YOUが言えるまで
”高倉とは喧嘩しましたよ”と心の声。
『別に何もないよ。高倉は仕事に目覚めたんでしょう。いい加減、マジでやらないとヤバイって』
「私は高倉くんはきっと、美緒に釣り合う男になろうとして、仕事頑張ってるんじゃないかと思うよ」
『そんな訳ないでしょ』
「ねぇー、美緒、この間、どうして高倉くんに電話して、何も言わずに切ったの」
”真理子…、そう来たか…、さすがだ”
『あれは酔っ払ってて、よく覚えてない』
「何かあったから、高倉くんに電話したんじゃないの。高倉くんは美緒が助けを求めてるって言って、美緒を探しに行ったんだよ。
もしかしたら、あの噂が原因なの?」
真理子は昔から、話の持って行き方がうまかった。それでついつい話してしまう…。
不倫の話を聞けば、きっと私を軽蔑する…。
でも、覚悟を決めないといけないのだ。
『あの噂は本当なの。永嶋さんと付き合ってるの、私』