【完】I LOVE YOUが言えるまで

”高倉とは喧嘩しましたよ”と心の声。


『別に何もないよ。高倉は仕事に目覚めたんでしょう。いい加減、マジでやらないとヤバイって』


「私は高倉くんはきっと、美緒に釣り合う男になろうとして、仕事頑張ってるんじゃないかと思うよ」


『そんな訳ないでしょ』


「ねぇー、美緒、この間、どうして高倉くんに電話して、何も言わずに切ったの」


”真理子…、そう来たか…、さすがだ”


『あれは酔っ払ってて、よく覚えてない』


「何かあったから、高倉くんに電話したんじゃないの。高倉くんは美緒が助けを求めてるって言って、美緒を探しに行ったんだよ。
もしかしたら、あの噂が原因なの?」


真理子は昔から、話の持って行き方がうまかった。それでついつい話してしまう…。


不倫の話を聞けば、きっと私を軽蔑する…。


でも、覚悟を決めないといけないのだ。




『あの噂は本当なの。永嶋さんと付き合ってるの、私』


< 446 / 487 >

この作品をシェア

pagetop