【完】I LOVE YOUが言えるまで
『私、付き合ってるの、永嶋さんと』
部屋の空気が一気に重くなった。
「美緒…」
「嘘…」
美緒の言葉に、真理子と涼子は呆然と美緒を見つめた。
『ごめん、隠してて』
美緒はそう言って、二人に頭を下げた。
そして、立ち上がり、窓の外を見た。
「いつからなの…、係長とは」
美緒は窓を開け、星を見上げた。
「美緒、ちゃんと話してよ」
真理子と涼子の言葉に、美緒はゆっくり話始めた。
『そうだね、ちゃんと話さないとね』
美緒は記憶を辿りながら、ゆっくりと話す。
『まずは…、私の二十歳の時、永嶋さんがまだ結婚してた時、不倫してた。
四年間の不倫の末、私たちは別れ、永嶋さんは支店に移動した。もう逢うことはないと思っていたのに、今回の移動で永嶋さんが本社に戻って来て、五年ぶりに再会。
寄りが戻ったって訳』