【完】I LOVE YOUが言えるまで
「じゃ、空白の四年は係長と…」
「不倫の噂も本当だったってこと…。
美緒、係長と寄りを戻したのは、覚悟をした上でのことなの」
と言われても、そんなもの美緒にある訳がない。
『管理職同士の恋愛には厳しいってやつね。覚悟なんてなかった…。
五年ぶりに永嶋さんに再会して、昔とは違う永嶋さんの姿を見て、忘れていた想いが込み上げて来て、永嶋さんを拒否することが出来なかったの』
「係長のことがずっと好きだったってこと」
『私はそう思ってたの。でも、そうじゃなかったのかも知れない…。
不倫なんてしちゃいけないって分かってたはずなのに止められなかった…。
永嶋さんとのことを誰にも言えなくて、いつもバレることに怯える毎日。
情けなさと恥ずかしさ、そして、親友を失いたくないって思いがあって、二人には言えなかった…』
苦しい日々が浮かび上がる。