【完】I LOVE YOUが言えるまで
二人の手は離れ、永嶋は歩いて行った。
『永嶋さん、愛をありがとう』
永嶋は振り向くことなく、歩いて行った。
永嶋は高倉の横を通り過ぎる瞬間こう言った
「美緒を頼む」
と…。小さな声で…。
高倉はこの時に分かった…。
永嶋は美緒を、美緒自身を愛していたのだと…。
高倉は美緒の元に…。
「美緒さん、スゲーかっこよかったです」
美緒は必死に涙をこらえていた。
『かっこいい訳ないだろう』
美緒はそう言って、高倉の頭を叩いた。
そして、美緒は高倉を抱きしめた。
『高倉、ありがとね。高倉のおかげで、永嶋さんに伝えられた。これからも私に力を貸して。高倉が必要なの、私には』
この美緒の言葉に、高倉は涙がこぼれた。
「美緒さんのためなら、俺頑張ります。
俺、もっともっと強い男になります。
美緒さんを守れる、強い男に」