【完】I LOVE YOUが言えるまで
やはり、これが美緒らしくていいのかも…。
この日、仕事が終わってから、珍しく美緒は一人でいつもの店に行った。
真理子はデート、涼子は…色々忙しいようなので。
店に入ると、野上がすぐに声を掛けてくる。
「バレンタインデーだって言うのに、デートする相手もいないのは寂しいな、美緒」
美緒は野上をにらみつける。
『うるさいよ、ほっとけ。
ビール、サラダ、からあげちょうだい』
「はいはい、機嫌が悪いようで」
野上はそう言って中に入って行った。
美緒はタバコに火をつけ、携帯を見る。
メールをチャックしていると、その中には黒澤建設の男達からメールが来ていた。
『ったく…、バレンタインデーでチョコ下さいってか…。
どいつもこいつもうるせーんだよ』