【完】I LOVE YOUが言えるまで
「今日で逢うの三度目ですね、美緒さん」
『考兄、紹介ってなによ。
余計なことしないでって言ったよね』
「まぁまぁ、紹介って言ったって、そんなだいそれたもんじゃねーんだ。
ただ、こいつ彼女いないって言うから、美緒と逢わせてみようかなって思ってよ」
美緒は勢いよく立ち上がった。
その時、高倉が美緒の手をつかんだ。
「美緒さん、俺ちゃんと謝りたかったんだ。
あの日のこと、この間のこと」
『謝ってもらわなくて結構。
私に関わらないで、迷惑だから』
美緒はそう言って、高倉の手を振り払った。
「何でそんなにとがってんだよ。
あんなことくらいで、いつまで怒ってんだよ」
高倉が美緒にそう言うと、美緒は高倉の顔をビンタして店を出た。