泣き虫総長と5ヶ月恋愛
「命人、坂倉さんとかキモいから」
ちょっと不機嫌な様子を装う。
「ちょ。響夜歌、マジごめんって」
両手を合わせ拝むような仕草の中、時折べーっと舌を出し、反省をしないコイツ。
成澤 命人。
長年の仲だ。いわゆる...幼なじみ。
日本人のくせに日本人離れした容姿のおかげでモテモテだ。
色素の薄い、ふわふわな髪。
白い肌。
少し青みがかった目。
身長も高い。
なんでこんなヤツが幼なじみなのか...。
命人のおかげで女の子には恨まれるし、男子にだって誤解される。
良いことなんて1つもなかった。
小さい時は私の方が立場も身長も上だったのに、今ではどちらも軽々と抜かされてしまった。
「なぁ響夜歌ー。お前高校どうすんの?」
『お前』と言われることに関して敏感な私は命人を睨む。
またもや、ごめんってー。と謝るが反省なんてさっぱりしてない。
諦めて私は質問に答える。
これもいつものこと。