カラフル
そんなあたしにも、学校へ通うことが楽しいと思える時期があった。
「野島さん、この問題わかる?」
3年になっても孤立していたあたしに、声をかけてきた1人の男の子。
同じクラスの彼は、あたしと違ってクラスメートからの人気がある人だった。
友達もたくさんいるはずなのに、なぜかあたしのもとへ駆けつけてくる。
「付き合わない?」
ずっと1人で過ごしていたあたしは、彼が声をかけてくれたことで、学校に楽しみを持ち始めていた。
だから、彼の告白を断る理由など1つもなかった。