カラフル
彼と付き合ってからのあたしは、毎日を幸せに感じていた。
読者モデルの仕事も順調に進み、友達がいなくても学校には彼氏がいる。
今思えば、あの時のあたしは、朝香や郁のように恋に夢中だった気がする。
……たった数ヶ月しか続かなかったけれど。
「お前、野島と付き合ってんの?」
ある日の放課後、担任の教師との進路相談を終えたあたしは、職員室を出るなり教室へ急いで帰った。
一緒に帰る約束をしている彼氏が、教室で待ってくれているとわかっていたからだ。
だけど、教室の前にきたとき、彼氏は隣のクラスの男子と窓際で話していた。