カラフル

その日の夜、あたしは彼氏と別れた。

毎日、起きてから寝るまでの間、彼のことばかり考えていたあたしは、独りになったと同時にたくさん泣いた。

馬鹿みたいな話だけど、世界が終わったような感覚にまでなったんだ。

だけど、泣いたのはその日と、その次の日だけ。

あたしと別れた2日後には、もう別の女の子が彼の隣にいた。

彼はこりもせず、学年の中でも「可愛い」と言われ人気のある女の子と付き合った。

「あの子とずっと連絡を取ってたのか」と思ったあたしは、泣くよりも腹がたち、自分を小馬鹿にした彼を憎らしく感じた。

見返したい、と思った。

あたしにはモデルしか残っていない。

だから、この仕事を何が何でも続けて、陰口を言ってたあの子たちや、軽く扱ったあの男が悔しくなるように、手が届かない場所に立ってやると決めたの。
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