カラフル
でも、彼女はあたしの話を聞こうとしない。
聞くどころか、「人のことを馬鹿にするのも、いい加減にしなよ」とまで言ってくる。
いつ、あたしが朝香を馬鹿にしたのだろうか。
嫉妬して、機嫌が悪くなっていたとしても、言っていいことと悪いことがある。
軽率な彼女の発言に、あたしの心中は苛立ち始めていた。
だけど、彼女の口は止まることなく、動き続ける。
「自分に自信があるのかもしれないけれど、友達の好きな人に手を出すとか……最低の人間がすることだよ」