カラフル
はぐらかされても、しつこく聞き続けるあたしに、橘さんは「まいった」と言うかのような表情でため息をつく。
「他の女の子たちには、まだ言わないでね」
そう言って、橘さんは渋々、小声で教えてくれる。
編集長とモデルが話す機会なんてそうそう無いことだし、何かあるなとは思ったけれど、話を聞いたあたしは予想もしていなかった展開に驚き、手にしていた紙をデスクの上へ戻して、急いで上の階へと走り出す。
考えていたのは、「何かまずいことをしてしまって、怒られているのかな」だった。
でも、耳にした言葉は、全然違うものだった。
「今月で辞めちゃうのよ、ユウキくん。ほら、もう高校3年生だから受験があるじゃない? 本人も、できれば冬までやりたいって言ってたんだけどね。……本当に残念だわ。人気もダントツに良かったのにね」