カラフル
「森永のことを意識してるみたいでさ。さっき、頼まれたんだよね。『映画に誘いたいから、呼び出すのを手伝ってほしい』って。今日の昼休みさ、体育館裏の倉庫んとこに行ってほしいんだ。先輩、誘ってくると思うからさ」
それは、考えもしなかった展開だった。
先輩があたしを呼び出すなんて、正直、信じられない。
しかも、映画ってことは……デートだよね?
夢を見てるんじゃないか、そんな気分だった。
「そんな思いつめんなよ。来た瞬間、ぶっ飛ばしてやるからさ」
洋介くんから言われたとおり、あたしは体育倉庫の前で緊張しながら待っている。
すると、突然、背後から聞きなれた声がした。
ギョッとしたあたしは、口をぽかんと開けたままくるっと振り返る。