オオカミ少年。

………まさか。


さっきまでダルかった体は反射的にベッドから飛び起きて、部屋を出て階段を駆け降りる。

家中にバタバタと足音が響いた。


まさかまさか?

いや、そんなわけないか。まってまだ昼過ぎだし、学校が終わってる時間じゃないし。

…いや、でも中田なら…


―ガチャ…


「やぁ、マイハニー。」

ドアを開けると、片手をあげてマイハニーなんて言う中田がいて。


「っ……あは…、あははは!」

やっぱり笑ってしまった。


「あ、やっぱ笑うよなー。マイハニーってな、俺気持ち悪っ!」

「だったら言わなきゃいいのにっ」

「罰ゲームだよ、罰ゲーム。俺が平山の家に行くって言ったらクラスのやつらが行かせねぇとか言い出すからさー。」


俺らを倒してから行け、と。

まぁ、あのクラスメートなら考えられない話じゃないっていうか。何となく想像できて笑えた。

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