オオカミ少年。

――――――
―――――――…

「じゃあ、ちょっと早いけど最後のクラス会始めまーす!!!」


春休みに入って最初の休日。クラス全員で集まってクラス会を始めた。

春休みが終わるとこのクラスともお別れだから、と。中田が提案したんだった。


中田とは、多田くんに告白されたあの日からどこか気まずくて。話しはするけど、様子が変だった。


「歩未!飲み物取りに行こうよ!」

「うんっ」

多田くんには、告白の返事はまだしてない。

何となく答えは決まってるんだけど…


「お酒もあるじゃん!」

「あー、ほんとだね。」


ここはクラスの子のお兄さんが経営している居酒屋で、今日は定休日だからと、快く貸してくれた。

ほんとはお酒なんて飲んじゃいけないんだろうけど、止める大人がいないからやりたい放題だ。

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