オオカミ少年。

あっち?だなんて聞かれてもあたしは知らない。だってずっとここに座ってたし。


畳の上には酔ったクラスメートが寝転んでいて、起きてる子も今にも寝てしまいそう。

狭い座敷には足の踏み場なんてほとんどなくて、気を付けないと踏んじゃいそう。


そんな中見渡して、中田の携帯を探す。

どうしてあたしが?

中田が自分で探せばいい、なんて思ったりもしたけど、きっと今探せるほど意識ハッキリしてないと思うし。


「あ、あった…」

ポツンと1つ、携帯が落ちてる。


「中田ー、あったよー」

それを持って中田のところに戻ると、案の定中田は机に伏せて目を閉じてるし。


「ちょっと、中田…」

やだもうこの酔っぱらい。

誰かどうにかしてよ。

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