【BL】腐男子な俺の恋フラグ
あまりの美貌に皆はさらに硬直する。
まるで時間を止める魔法でもかけられたみたいだ。
俺は後ろ手に持っていたノートとペンを思わず落とす。誰もが息をのむ静寂に、その音はよく響いた。
彼はそれぐらいこの世に存在する何もかもの次元を超えていたのだ。
「俺の生徒会メンバーは、
副会長が遠山咲(トオヤマサク)
会計は草笹葉(クサザサヨウ)、花峰園(ハナミネエン)...」
月帝会長の声はあまりに俺の耳に響きすぎる。
「そして、書記は篠原槙だ。
---任命された者は壇上へ」
律が居れば、俺は留まれただろう。
だけど、俺はその甘い声の響きに思考が止まり操られるようにして歩を進めた。
そして何も言えないまま、自己紹介が始まる。
「俺は遠山咲だ。宜しく」
思わず見とれてしまう美人な副会長が挨拶をする。
ばっくに椿の花が見えたのはきっと目の錯覚ではない。