【BL】腐男子な俺の恋フラグ


そしてやはり目の前の奴の姿を見て思うのだ。




「…え?俺の顔に何か付いてる?…そんな見つめられても…あ、さっきの衝撃でステーキのタレとかですか?」






こんな鈍感でとんちんかんな阿呆。




――――俺は何で、好きになったんだ?






「律、もう取れた?」






おしぼりで顔を拭き、俺にタレが落ちたのかどうか確認を求めてきた。そんなもの付いていなかったのだが…そもそも弁当はあの時俺の前に差し出してたんだから付くわけがない。しかし、いちいち訂正するのも面倒だ。





「取れた」





ここは適当に話を合わせておく。
そんな奴を流し目で見ると槙はまたもや妄想に耽っていた。…コイツ、たったこの昼休みの間に何回目だ?

まぁ、いつもの事なんだが。



今度はしょうがなく足で正面の椅子を蹴った。


八方美人のステーキ冷めるぞ、と注意を促してやると槙はこちらにキョトンと顔を向けてくる。
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