社長と極上の生活
安堵の表情を浮かべる沢田さんの横を
素早く通り抜け、社長室のドアノブに手を掛けた。
―――――カチャッ
勢いよく扉を開けると、
視界に入った光景に思わず、息を飲んだ。
「かっ……な……め……ッ…」
自然と漏れ出す愛おしい人の名。
「ッ?!!きっ、杏花ッ!!」
驚愕の様子の要。
その彼の目の前にはソファに座る綺麗な女性。
そんな2人の様子に驚きを隠せない私。
だって、だって……要は……―――。
ソファにゆったりと座る女性の目の前に
『いかにも』というような状態で跪き、
その女性の腰元から膝に掛けて
ゆっくりと撫で回している状況を
偶然にも目の当たりにしてしまった。
―――――――要の浮気現場
突発的な事故のような状況。
私も要も、要の目の前の女性も
微動だにせず、固まっている。
柔らかい陽ざし窓から差し込む部屋の中は
ピリピリとした緊迫な空気に包まれた。