赤い月 終

「まるで求婚じゃな。」


「そーだよ?
考えてくれるンでショ?」


一切から隔絶されたゴンドラは、ゆりかごのようだ。

そこには、穏やかであたたかい笑みしかない。

現実逃避の末に逃げこんだ檻。

でも終着点は、

もう、

すぐ、

そこ。


「君が好きだ。」


何度も伝えたはずの言葉を、景時はまた紡ぐ。

でも、足りないンだ。

伝えきれないンだ。

もっと愛させてって言ったら、君は‥‥‥

どうする?

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