赤い月 終

だが景時に文句を言う間も与えず、ゼンキは再び光に変わる。


 愛ニ生キ、愛ニ死ヌ、カ…

 景時、ヤハリオマエハ 千景ニ
 ソックリダ


笑みを含んだ静かで優しい声が、さっきまでのように脳に直接響いた。


 俺ノ声ハ オマエニシカ聞コエ
 テイナイ

 オマエガ発狂シタト 鏡ガ油断
 シテイル間ニ、サッサトカタ
 ヲツケロ


まじで?
じゃ、ずっと一人言言ってたカンジになってンの?俺。

愛の言葉より、ソッチのほうがハズいわ。


(でも、ソレで油断してくれてるっつーなら、結果オーライ?)


もう狂ったと思ってるから、鏡は沈黙してたってワケだ。

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