ドールハウス・ツインズ
「お母さんが使ってた裁縫道具」
「大きな裁ちバサミで布を切ります」
「あっちょっとー血飛ばさないでよー」
「ごめんごめん」
「それにしても、よく切れるねー」
「うん、よく研いであったんだね」
二人は笑いながら、
皮膚(ぬの)を切っていった
「この人いらない、筋肉しか残ってない」
「同感、同感、筋肉やだ、怖い」
「じゃあ、次行こ!」
「うん!」
ジョキジョキと二人が鋏で皮膚(ぬの)を
切る音は、夜になっても止むことはなかった

それから、十年
当時四歳だった、二人は、十四歳に____
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