“またね。”
数日後の合格発表では、みんな見事、第1志望に合格。

そして隆志に彼女ができた。

他校の子だけど高校は同じらしい。

ちょっと寂しいけれど

心の底から祝福した。



高校に入れば大ちゃんがいる。

会うのは気まずいけれど

何か言ってくれなきゃ何もわからない。

何より会いたくてたまらない。



伊織とは別々の高校だし、もともと忙しい伊織は高校に入ればもっと忙しくなるだろうから、春休みはたくさん遊んだ。

そして今日も、伊織の家にいた。

「この際だから聞いちゃうけどさ。あたし、ずっと気になってたんだ」

テーブルを挟んで向かいに座っている伊織が、真っ直ぐ菜摘を見る。

何を聞かれるのかすぐにわかった。

返事の代わりに、ココアを一口飲む。



「山岸とはどうなったの?」



─やっぱり、それしかないよね。
< 157 / 407 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop