“またね。”

「お前やっぱちっちぇーな。150ある?」

「あるよ失礼な。153だもん。大輔は?」

「ちっこいじゃん。俺178」

「大輔がおっきいんだよ」

「そう?」

25cmも差あるんだ。

どうりで大きいと思った。

大輔は菜摘の前髪を掴み、小さくちょんまげをつくった。



「俺ちっちゃい子好きだよ」



菜摘の前髪から手を離し、撫でるように軽く整える。

この低い身長がコンプレックスだったのに、大輔の一言でそんなの吹き飛んだ。



ねぇ、大輔。

菜摘のことどう思ってる?

聞きたいけど聞けない。

こんなに人を好きになったのは初めてだから、怖いんだ。

だって菜摘なんか相手にされるの?



小さな不安が―

少しずつ、少しずつ積もっていく。

不安だらけだ。


< 44 / 407 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop