“またね。”

大輔の誕生日まであと4ヶ月。

その頃には……

今とは違う関係になりたい。

進展したい。



ココアを一口のんで、コップをテーブルに置く。

ふと、目が合った。

「菜摘、おいで」

菜摘に体を向け、手を小さく広げながら、ニッコリと微笑む。



からかってる?



そんなことを聞けるわけもなく、大輔に抱き寄せられた。

『おいで』ってなんとなく好き。

抱き締められると、ドキドキするけど安心する。

つい『好きだよ』と言ってしまいそうになった。



からかってる?

なんて聞けない。

だって、大輔が優しく微笑むから。

泣きそうになるくらい、暖かいから。


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