お嬢様の仰せのままに。



「…わ、かわいい!」


鏡に映るあたしは、
くるくるに巻かれた髪をハーフアップでお団子にしていた。



「気に入った?」

「うん、嬉しい!ありがと颯っ」


思わずぎゅう、と抱きついた。

…ところで、我に返る。


「い、今のは口が滑っただけなんだから!」

「ふはっ、はいはい」


吹き出して笑う颯に、顔が赤くなっていくのがわかる。

怒りではなくて、恥ずかしさで。


「…っもう、うるさい!!」


でもやっぱり素直になれなくて、
怒鳴って誤魔化すしか出来ないあたしは、本当にかわいくない。



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