10年後も…〜song for you〜
「はい。飲みな」
俺の前に、珈琲が置かれた。
茂さん…。
茂さんがいつのまにか俺たちの前にいた。
「注文してないっすけど…」
茂さんがフッと笑った。
「祐樹くん。こいつが話したくなった時、きちんと話すだろう。今は、そっとしといてやれ」
「茂さん…」
俺は、顔を伏せた。
今ここで、話せば気持ちも楽になる。
ひとりで苦しむこともなくなるかも知れない。
俺には、俺を思ってくれる友人や仲間がいる。
なんて幸せなんだろうか…?
俺は、唇を噛み締めた。
時期が来たら、話そう。
いつまでも隠し等せないだろう…。