10年後も…〜song for you〜
ディスプレイに表示されている名前は、
真琴からの着信だった。
「もしもし…」
少し席を離れて、電話を取った。
『ちょっと、健!こんな雨の中どこ行ってんの?』
あいつは、第一声から声を荒げている。
「どこだっていいだろ?」
俺はぶっきらぼうに答えた。
「なんだよ。なんか用か?」
『……』
「用が無えなら切るぞ」
『…健、体調良くないんじゃないの?』
その言葉に、頭が真っ白になった。