10年後も…〜song for you〜
「ん?どした?」
「ううん。なんでもない」
絵里は、首を横に振り、俺の右手を握ってきた。
「健、身体大丈夫?なんか少し痩せた気がする」
「大丈夫だよ。痩せた?そんなことないよ」
俺がそう言ってにっこり笑うと、絵里は安堵した表情をした。
「そう。よかった…」
絵里の握っている手に力が入る。
その時、車が走り出し、
真琴が後ろを振り向いた。
俺は、無意識に絵里の手をはねのけてしまった。