10年後も…〜song for you〜

「だって、昨日全然眠れなかったの!夏美がいきなり健と絵里さん誘うから!色々考えちゃって…」

「色々って?」


夏美がニヤニヤしている。


「い、色々は、色々よ」

「ふぅーん。色々ねぇー」


夏美が何か言いたそうな顔をしている。




その時、私はサイドミラーに映る自分を見て、


「夏美!あたし、ヨダレとか寝言とかイビキとかしてなかったよね?晴人くんに変なとこ見られてないよね?」


そんな私の質問に、夏美は吹き出した。


「ウケる!大丈夫だって!そんなことで、晴人くんの気持ち変わらないでしょ?」




まだ付き合って、一か月ちょっとした経ってないから、そんな姿なんて絶対見せたくない!


爆笑している夏美をキッと睨んだ。


もう、夏美が勝手に誘うから!




「もう夏美のバカ!あたしも買い出し行く!」

爆笑している夏美をほっといて、車を降りた。


「ごめんごめん。あたしも行くから」


夏美も車を降り、スーパーの入り口に2人で歩き出した。

まだ横で笑ってる夏美の背中を叩いた。



そして、スーパーに入る前にあることを思い出した。


夏美に、健と一緒に住んでいることを絵里さんや晴人くんに黙っててほしいとお願いした。


「確かに、さすがにそれはマズイよね?なんかさっきはごめんね」

「大丈夫。一応やましいことは全くないけど、2人に誤解されたくないから」

「…そうだね」

夏美は何か言いたそうだったが、それ以上は何も言わなかった。












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