10年後も…〜song for you〜

「バッティングセンターに行く前に映画館に行ったこと覚えてる?」

「え?確か…人が多くて辞めたんだよね?」


あの日は、人が多くて観るを辞めた。それに…。


「うん。でも、人が多くて辞めただけじゃなかったんだ…」


わ、分かってるよ…。


あの時の晴人くんは、明らかに様子が変だったもん。


でも、いまさらどうしてそんな話しをするの?



あんまり聞きたくないんだけど…?





晴人くんは、そんな私を他所に話しを続けた。



「あの時、昔付き合ってた彼女を見つけたんだ」


予想通りだった。


私は、晴人くんの横顔をじっと見つめた。


晴人くんは、運転中ということもあって、前を向いたまま話しを続けている。



「その彼女とは、自然消滅で別れたんだ。お互い忙しくて、中々会えなかったのが原因だった」







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