10年後も…〜song for you〜
「俺は…」
健の心臓の音がさらに早くなった。
そして、
「お前が好きだ。世界中の誰よりも」
その瞬間、また一気に涙が溢れ出した。
「親父とお袋が亡くなった日から…俺はずっとお前が好きだった」
う、うそ…?
そんな前から?
信じられない…
だって…健は、絵里さんとか他にも付き合っていた人がいたじゃない…
うそでしょ?
「健…本当なの?」
その言葉に、健がゆっくりと抱きしめていた手を放して、私から離れた。
真っ正面に目が合うと少し照れ臭くなった。
健の目はいつになく真剣だった。