10年後も…〜song for you〜
ードンッ!
「え?何?」
中庭の方から音がした。
「これ、ドラム音だよ。イベントステージで軽音部のLIVEが始まる時間じゃん。聴きたかったなぁー」
そう言って佐野さんが中庭の方をチラチラ見ている。
どうやら、佐野さんは見に行きたいみたいだ。
まぁ、健の話しをされるとめんどくさいし…
「佐野さん。行って来ていいよ。どうせ、誰も来ないし、ひとりで平気だから」
「まじ?竹崎さん優しい!ありがとー」
佐野さんは、さっきまでのダルそうな姿は一切なく、ルンルン気分で出て行った。
なんだかホッとして息を吐いた。
そしてやっぱり佐野さんは苦手だと思った。