10年後も…〜song for you〜

それからしばらくして、





もう二曲ほど奏でた。





真琴は優しい笑顔で聴き入ってくれていた。




時に、鼻をすする音が聞こえてきたので、泣いているのは分かったけど、



真琴は弾き終わると、笑顔で拍手をくれた。







「綺麗だね…夕日」


真琴は立ち上がり、そう言いながらフェンスに寄りかかった。



「健のギターと歌と夕日と…なんか贅沢だな…」


そう呟く真琴の後ろ姿を見つめると、すごく愛おしくなった。



ベンチにギターを置き、俺も立ち上がった。



周りの目を少し気にして、ちらっと見たが、屋上にまだ残っていたのは、俺たちだけだった。



俺は、すーっと息を吐いて、




真琴を後ろからぎゅっと抱きしめた。



真琴は、少しびっくりしていたけど、



俺の抱きしめている両腕に自分の手を添えた。





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