10年後も…〜song for you〜
離陸し、しばらくして健は疲れからか眠りについた。
健の寝顔を見つめると、顔がほころんでしまう。
眠る前に言ってくれた一言が嬉しくて仕方なかった。
『こうやって、手を繋いでくれてるとすげー安心する。俺って、どこまでも真琴に惚れてんだな…』
あたしだって、健に負けないくらい…
健が好き。
ほんの数カ月前までは、健はあたしにとって、ただの幼なじみだったのに…。
こんな気持ちになるなんて…
本当に自分でもびっくりだ。
「こんなものまで用意しちゃって、バカ健。旅行じゃないし…あたしは仕事だっつーの…」
私は、健が驚かせる為に被っていたキャップとサングラスを手にとり、健の寝顔を見つめて、ほころびながら小さく呟いた。
こうして、2時間半の空旅を終え無事に沖縄、那覇空港に到着した。