10年後も…〜song for you〜

到着ロビーに出ると、真琴は会社の人を見つけた。


「ちょっと待ってて、挨拶してくる」




真琴が会社の人と話している姿を少し離れた場所で見ていると、さっきまでの表情は消え、キリッと固くなった。

その瞬間、真琴が社会人になったことを実感した。


そして改めて、仕事の為に沖縄に来たことを実感させられた。

気持ちを切り替えようと思った。



どんな理由であれ、真琴とこうして沖縄に来れただけでも嬉しいことだ。


俺は深呼吸をした。




しばらくして、真琴が戻ってきた。


「ごめんね。待たせて」

「もう大丈夫なのか?」


「今からホテルに荷物置いたら、沖縄の支店に行かなくちゃいけない。そこで15時には打ち合わせがあるって」

「そっか、じゃあ急がないとな」


腕時計で時間を見ると、もうすでに13時を過ぎていた。







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