10年後も…〜song for you〜
立ち上がり、腕時計を見た。
「18時か…飯食いに行こうぜ!」
「うん!行く!」
真琴も笑顔になって立ち上がった。
ホテルを出て、タクシーに乗り込んだ。
国際通りまで来ると、そこにはたくさんの飲食店が立ち並んでいた。
「沖縄と言えば、やっぱ沖縄そばだよね?あとは、ゴーヤー?」
「げ。ゴーヤーは食えねぇよ」
「好き嫌いは言わないの!身体に良いんだから食べなきゃ!」
「だって、苦いじゃん。つーか、なんでゴーヤーは食べれてピーマン食えねぇんだよ」
「うるさいなぁー。それはあたしの勝手でしょ?」
真琴とこうして、言い合いしていると鉛の様な身体が少しずつ楽になっていく。
真琴がそばに居てくれるだけで、こんなにも安らいでいく。
愛おしくて愛おしくて仕方ない。
俺は、隣を歩く真琴の手を握った。
普段、人目を気にして自分から手を握ったりしない俺に真琴はびっくりしていた。
沖縄のゆったりした時間が自分を変えた。
せっかくの沖縄旅、余計なことを考えずに、今を楽しもう。
そう心に決めた。
この手だけは絶対に離さない。
真琴、愛してる…。