10年後も…〜song for you〜
しかし、それから数日が経っても日記を読むことが出来なかった。
何度も手に取るが、どうしても開くことが出来ない。
怖くてしかない。
この日記を読んだら…
真琴が想い出に変わってしまうんじゃないかと思う。
それが怖かった。
真琴の死を受け入れてしまう自分が怖かった。
結局、何も変わらず時だけは過ぎていった。
そして、アメリカから帰国して気が付けば一年が過ぎていた。
季節は春になった。
今年も桜並木の桜は満開を迎えた。
なぁ真琴、今年の桜はどんな風に咲いているんだ?
俺には、昨年も今年も同じようにしか見えない。
教えてくれよ。
真琴…俺に逢いにきてくれ…。
桜並木の道を通り、公園の横を歩いていると、
「だから、なんでいきなり解散なんて決めちゃったの?」
真琴の声が聞こえてきた。
俺は真琴がいなくなってしまってから、足を踏み入れることを拒み続けた真琴との想い出が溢れている公園に、その声を辿って足を踏み入れた。