StratumRoman~積み重なる物語~
こいつとは何故か毎日一緒にお昼を食べている


理由は簡単


こいつは私が行く場所を予測して


先にその場所に居るからだ


今日は何処で食べようかな??


今日は………


中庭!!と見せかけといて……


屋上で食べよう!


でもたまに


そう言う考えが返って裏目に出る事もある


ガチャ


屋上のドアを開けると


「あ!ハニー!必然だね~」


ほら、やっぱり居た


「ほんと、偶然ね」


「偶然じゃないよ~、ひ・つ・ぜ・ん! 俺とハニ-は出会う運命なさ」


どこからそんな自信がわいてくるんだろう


私は屋上の屋根の影の所に座った


明るい所は基本的に嫌いだ


陽の光りなんか、一番大嫌いだ


理由は……


私は小さい頃


親に監禁されて、太陽の下になんか 出たことも無いも同然


その上、虐待も受けた


私が今、平和に暮らして行けるのは


お母さんの変化に気付いたおばあちゃんが居たから


お母さんは今、病院通いで少しずつカウンセラーを受けているが


時々ぶり返して暴力を振ってくる


それに堪えられなくなった私は中学卒業と共に一人暮らしをはじめた


私には弟がいて、弟はおばあちゃんの家で暮らしている


たまに私の様子を心配して家に来る


弟は母親からの暴力は受けなかったらしい、それだけでも不幸中の幸いだ


でも、時々淋しくなる


なのに


そんな事があった事忘れていられるのは


なぜかこいつと居る時だけだった

< 22 / 34 >

この作品をシェア

pagetop