何か、たりない
ぐっと強く、私の肩を押さえつけた手のひら。
背中のほくろを、ジグザグと星座を作るようにつなげた指。
けど、今の彼は私の手を弱く握った。

彼はあの日からずっと、何かが足りなくなってしまったのだろう。
というか、足りないことを知らない満足というものもあることを知らなかった。
私はそっと顔だけ彼のほうに向けて、おでこにくちづけた。
彼は、固く目を閉じ、私を見なかった。
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